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一人で文楽の公演を観てきた♪
2009-12-20 Sun 14:38
2009年12月20日(日)

Yさおりさんの「今年1年を振り返るためのリスト」の記事で紹介さ
れていた一つ目の質問が、こういうものだった。

  What hidden part of you have you awakened this year?
(あなたの持つ、秘めた部分のうち、今年呼び覚ましたのは何ですか?)


呼び覚まされるほど、たくさんの種など秘めていない私だが、何かに
出会って感動した、新たに興味を触発されたという意味でなら、私に
小さな変化をもたらしてくれた出会いは、今年も幾つかは、あった。

例えばそれまで存在すら知らなかった「足立美術館」とか。
名前を聞き知っていた程度だった「若冲」の絵とか。

だが、私が今年1年を通して、「出会って一番良かったと思っているも
の」…それは実は、「文楽」(人形浄瑠璃)なのである。
まだ、開眼したとも言えないほどの、ほんの初心者レベルなのだが、こ
れは長く付き合えそうな、良い趣味を見つけちゃったな~♪と、自分で
は思っている。

きっかけは、夏に読んだ、「あやつられ文楽鑑賞」だった。

あやつられ文楽鑑賞あやつられ文楽鑑賞
(2007/05)
三浦 しをん

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仕事の資料として、図書館から借りて読んだものなのだが、これは作
家の三浦しをんさんが、ご自身が文楽にハマった経緯を軽い筆致
で書いた、エッセイ風の文楽入門書だ。
それまで、文楽など見たこともなく、特に関心もなかった私だが、こ
の本を読んで、文楽への認識は「面白そう!」「ちょっと見てみたい」
に変わった。

で、手始めにテレビで鑑賞。
(8月下旬にNHKの芸術劇場で放映された時に録画。結局見たの
 は、10月も半ば過ぎだった。夫が出張でいない夜に、一人でゆっ
 くり見たのだ。)
その時の放送内容は『義経千本桜』の二段目の「伏見稲荷の段」と
「渡海屋・大物浦(とかいや・だいもつうら)の段」。

これを見て、私の中の文楽への認識は、「すごい!」「私好み!」
変化。

文楽では、1体の人形を、3人の人形遣いが動かす。
人形によっては目や眉や口が動くけれど、顔のパーツは滅多に動かさ
ず、むしろ絶妙な操り方だけで、豊かな表情や細やかな仕草を表現す
る。それが実に見事で、ある意味、生身の人間が直接演じるのよりも
すごい。
3人遣いの人形操作は世界的にも例がなく、もっとも洗練された人形
劇として、2008年11月には、ユネスコの無形文化遺産に登録されたと
いうのもうなずける。
舞台の仕掛けも視覚的に面白いし、ストーリーがまたよくできている。
(例えば「渡海屋・大物浦の段」は、幼い安徳天皇…実は女の子…が、
 壇の浦で死んだのではなく、船宿“渡海屋”に匿われて生きており、
 そこに義経一行が宿泊する…というような、ドラマチックな設定な
 のである。)
こんなに高度で総合的なエンターテインメントの伝統がある日本に生
まれて、これを知らずに過ごすのは、実にもったいない!

で、次は、舞台を直接見てみようと考えて、先日、国立劇場まで
見に行ってきたのだ。
 
[ 続きはここから… ]

と言っても、本公演でなく、国立劇場で毎年行われている文楽鑑賞
教室
である。
今年の演目は、「仮名手本忠臣蔵(かなでほん ちゅうしんぐら)」。 
(高校生などのために行われる「鑑賞教室」は、安価だし、基本的な
 知識を最初に解説してくれるので、初心者にはすごく良い。
 実は10月に、実家の両親を誘って、初めて狂言を見に行ったのだ
 が、その時も、能楽堂の本公演ではなく、区民会館で行われている
 解説付きのもの
を見て、とても楽しかったのだ。
 しばらくは、この手の「鑑賞教室」で、いろいろな伝統芸能を楽しん
 でみようと思っている。)

夫を誘ったら、「う~ん…」と、あまり興味なさそうだったし、映画等
と違って友人も誘いにくいので、一人で行ってきた。
行ってみたら、「おひとり様」の観客がすごく多く、そのことが、妙
に嬉しいというか、心強いというか、小気味よかった(笑)。
最前の数列は団体さん(高校生)だが、あとは一般人で、年齢層は
思ったよりバラけている。
私が出かけるようなイベントは、だいたい40~60代くらいの主婦グ
ループや夫婦連れが多いのだが、文楽の公演では、客の8割方は
一人で来ている感じ。
(それだけ、マニアックな趣味ということか…笑)
私の両隣も、それぞれ、一人で来ている30代くらいの女性だった。
70~80代と思われる高齢の方も、結構一人で来ていた。
外国人も何人かは見かけた。



実際の舞台を見ると、テレビで見るのとは違う面白さがあった。
まず、床本(ゆかほん)を朗々と読み上げる大夫(たゆう)の肉声
が、ほれぼれするほど素晴らしく、迫力がある。
三味線も、例えば人物が登場する時に鳴らす足音風の節回しがあ
るのだが、それが女性であれば、お女中かお姫様でテンポや雰囲
気が全く違う。男性の登場人物なら、それが草食系男子か肉食系
男子かで違うのだと解説で聞いて、そんなところにも注意しなが
ら聴けたのは、とても面白かった。
人形はイメージしていた以上に大きく、人形の操作の仕方などを
聞けたのもよかった。

ただ、文楽鑑賞は、慣れないうちは、案外体力が要るかもしれない
とは思った。
狂言の場合は、1作品1作品が短いし、舞台がシンプルなので、初
めてでもちっとも疲れなかったが、文楽は、大夫の声を聞き、三味
線の音を聞き、人形の動きに注目し、言葉が難しいので、しょっち
ゅう字幕に目をやり(舞台の両側上方に、縦書きの字幕が映し出さ
れるようになっている)…と、結構、目も耳も忙しかった。
(そういう意味では、休憩しながら見ることができ、人形も大写しで
 見られるテレビ録画の鑑賞も悪くないのだ。)

内容についての感想は、きりがないので、ここでは省略。
ただ、これを見て、私の文楽への認識は、「もっと沢山見たい!」
「長く見続けていきたい」
に、さらに進化したのだった。

公演終了後、国立劇場内の売店で、文楽カレンダーを買ってきた。
文楽作品の写真が使われているのだが、「義経千本桜」の場面の
写真もあって、「ああ、この場面、知ってる知ってる!」と、嬉し
くなって買ってしまったのだ。
文楽は、沢山見れば見るほど、楽しくなっていきそうな気がする。


こんなの買ってる時点で、文楽マニア予備軍(笑)


また、いろんな文楽作品を知っていれば、この先、旅行などする場
合も、作品の舞台になった、文楽ゆかりの地を訪ねるという楽しみ
方もできそうに思う。


夜、夫に話をした。

私 「今日見たのは“仮名手本忠臣蔵”でね、まあ、忠臣蔵の話だか
  らわかりやすいんだけど、当時は実名を使って物語を作るのが
  禁止されててね、時代も変えてあるし、登場人物の名前も変えて
  あるのよ。例えば…」
夫 「大石内蔵助は…ええと、大星由良助だっけか?」
私 「あら、よく知ってるわね」
夫 「あんたと違って、オレは教養あるから…」
私 「ふん、ヤなヤツ! 超“感じ悪っ”!(笑)」


私 「…でね、これからも時々、文楽の公演を見に行こうと思うの。
  あなたもたまには一緒に見ようよ。そのうちには、文楽の本場・
  大阪の、国立文楽劇場にも見に行こうと思ってるんだ…」
夫 「文楽が一番盛んなのは、徳島県なんだぜ」
私 「へえ、そうなの…?(半信半疑)」
夫 「昔ながらの、文楽の小屋や舞台が、一番たくさん残されている
  のが徳島でね、俺は本当は、それだけは見たいと前々から思って
  いるんだ」
私 「それは面白そうね…でも、そんな話、初めて聞いた。 去年、
  四国を旅行した時
も、あなた、そんなこと、一言も言ってなかっ
  たじゃないの」
夫 「だって、あの時は、あんたが四国が初めてだったから、初心者
  向きのツアーにしたからさ。それに、あんたが文楽に興味がある
  なんて、全然思ってなかったし」
私 「確かに、その頃は文楽に興味なかったけど…。でも、バスガイ
  ドさんも、そんな話はしてなかったよね。 あまり、全国的には
  有名じゃないのかしら?」
夫 「いや、そんなことない、観光客だって一杯いるはずだよ。でも
  多分、ツアーに組み入れるには場所が不便なのかも」
私 「昔の文楽小屋なんて、文楽好きでなくても、見ておいていい文
  化財よね。文楽って、大正時代頃までは、一番メジャーな庶民の
  娯楽だったみたいだし。でも、昔は照明がなくて、自然光だけで
  やってたみたいだから、昔の小屋はきっと暗いんでしょうね…」
夫 「…うん、それで、そこで殺人事件が起こる…というような話を
  何かの作品で、昔読んだんだ」
私 「なんだ。ネタ元はミステリーか(笑)」

でも、徳島県で文楽が盛んなのは本当である。
調べてみると、「阿波人形浄瑠璃」などと呼ばれているようだ。
徳島県のホームページ内の「人形浄瑠璃の国・徳島」という記事な
ど読むと、すごく面白そう。
(徳島は、“阿波踊り”が有名だと思うけど、私は断然こっちに興味
 あるなあ…)
しかも、少し前まで、阿波人形浄瑠璃月間ジョールリ100という
1か月にも及ぶ、めっちゃ面白そうなイベントが開催されていたんじ
ゃないか…。
(知っていたとしても、おいそれとは見に行けなかったけど…。)

私 「じゃあ、また四国に行こうよ。今度行く時には、文楽関係を
 メインにして、徳島にゆっくり滞在しよう」

これは、夫の賛同を得ることができた。
まあ、それがいつになるかはわからないが、夫を巻き込まなくても、
しばらくは一人でぼちぼち文楽を楽しめそうである。

当面の私の計画としては、
 ・テレビ放映(滅多にないけど)は、必ず録画して見る。
 ・来年も、国立劇場の「文楽鑑賞教室」に行く。できればそれ以
  外の本公演も1本は見る。
 ・文楽関係の本を読む。

とりあえず、これから読もうと思っている本はコレ。
「あらすじで読む名作文楽50」

あらすじで読む名作文楽50 (ほたるの本)あらすじで読む名作文楽50 (ほたるの本)
(2005/06)
高木 秀樹青木 信二

商品詳細を見る(アマゾンへ)


文楽は、おおよそのあらすじを知った上で見たほうがいいので、これ
は、かなり役立ちそう。
近松門左衛門や井原西鶴の作品を字面で読むと、さっぱり意味がわ
からない私だが(ほとんどの現代人はそうだと思うが)、あらすじさえ
知っていれば、あとは人形の動きを見ながら、だいたいこういうこと
を言ってるんだな~とわかる。
そしてストーリー以外の、細かい所をじっくり楽めるわけでもある。


あと、これも夏に読んだ本で、文楽のことだけを語った本ではないの
だが、清水義範氏の「身もフタもない日本文学史」が興味深かったの
で、あわせてご紹介しておく。

身もフタもない日本文学史 (PHP新書)身もフタもない日本文学史 (PHP新書)
(2009/07/16)
清水 義範

商品詳細を見る(アマゾンへ))


(さらに文楽の話から離れてしまうけど、清水義範と言えば、20年ほ
ど前の作品国語入試問題必勝法 (講談社文庫)の中の「人間
の風景」は、笑える作品として屈指である。)
 


人の好みはさまざまだから何とも言えないけど、文楽は、ハマる人は
ハマる世界だと思う。
興味をもたれた方は、テレビででもいいから、とにかく一度文楽をご
覧になってみてほしい。
私のように文楽は全くの初心者という方は、できれば見る前に、入門
書(「あやつられ文楽鑑賞」など)を1冊読まれるのがよいと思う。

…と、本日は勝手に、文楽振興に協力?してみた次第(笑)。

 

麹町カフェのサイトはこちら(自分用メモ)
  
 
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コメント
-ありがとうございます-
冒頭から自分の名前が登場してびっくりしました。ありがとうございます~。

文楽への情熱を呼び覚ましたなんて、世界が広がっていいですね!
わたしが今年呼び覚ましたのは、自分の中の動物愛護心です。富士丸の父ちゃんの文章に涙したり、友だちへのプレゼントを、売り上げの一部を動物シェルターに寄付しているサイトから注文したり。

かんちがいさんの記事、とても励まされます。トラバさせてくださいね。
2009-12-20 Sun 15:28 | URL | Yさおり #tHX44QXM[ 内容変更]
-ああ、これは出会いだ-
ワタシ実は文楽を知りたいと思ってたんですよ。仕事で必要になっていて。基本的な事はわかってますけど、キチンんと見てきてなかったんで、来年は知ろうと思います。
ありがとうございました。

いつまでも先輩には習うことばかりなんだなあ。
2009-12-20 Sun 20:35 | URL | 若だんなat新宿 #-[ 内容変更]
-その昔w-
20代前半に大阪で見た文楽、「心中天の網島」「女殺し油の地獄」は、
舞台に自分も引き込まれてしまい、深く感動したことが思い出されます。
以後、近松門左衛門の作品を読みまくりました。近松作品は心中ものが多く、
暗いのですが、道行のあたりなど、その流れるような美しい文体に魅せられ、
今でもそらんじることができます。

文楽も能もオペラも、やはり実際に舞台で見るのは素晴らしいですね。

近松作品も是非一度ご覧あれ。

2009-12-21 Mon 07:21 | URL | spacesis #4OrEtIGA[ 内容変更]
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