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ノーベル賞を勘違いしていた私(最近良かった本のこと)
2009-04-22 Wed 21:50
2009年4月22日(水)

ノーベル賞と言うと、「何だかよくわからないけど、すごい賞」
と子どもの頃から思っていた。
大人になった今は、「ノーベル賞級の功績を挙げた人がみん
なノーベル賞をもらえるわけじゃない(もらって当然ぐらいの人
が、もらわずに死んじゃうこともたくさんある)」とか、「選考基
準に偏りがあるようだ」ぐらいのことは認識するようになったけ
れど、それでも、やっぱりノーベル賞の価値が下がるわけでは
なく、私の中では、「ノーベル賞は、何だかよくわからないけど
すごい賞」という、子どもの頃とさほど変わらぬ認識が、今も
何の疑いもなく、居座っていたのだった。

そんな程度の認識しかなかったから…ということでもあるのだ
が、今年の1月に読んだこの本は、私にとって、目から鱗が落
ちまくりの本だった。

ああ、そうか、そういうことだったのか…。

普段、本を読みながらアンダーライン(縦書きだから正確には
“傍線”だけど…)を引くことなんてない私なのだが、この本は
線を引きまくってしまった。

伊東乾(いとう・けん)著
 「日本にノーベル賞が来る理由」(朝日新書)

日本にノーベル賞が来る理由 (朝日新書)日本にノーベル賞が来る理由 (朝日新書)
(2008/12/12)
伊東 乾

商品詳細を見る


湯川秀樹のノーベル物理学賞にしても、「戦後の日本人に自
信を取り戻させた明るいニュース」ぐらいにしか、とらえていな
かった私だ。
それ以上の難しい理論のことはどうせわからないし…とも思っ
ていたのだが、私たちは、その受賞の意味をこそ、理解しなけ
ればならなかったのだ。

1968年の川端康成の文学賞にしても(当時、小5だった私は、
訳わからぬながら、学級壁新聞にこのことを大々的に取り上げ
たりしていたのだが…)、後から思うと、他の作家でも、他の時
期でもよかったような気がするのに(別に川端康成を評価しな
いという意味では全くないが)、なんで、この時期に川端だった
のか…とか、そういう漠然とした疑問の答えが、この本を読む
と、実にスッキリわかる。
 
[ 続きはここから… ]

この本の内容は、一言で言うと、「ノーベル賞の戦略」である。
と言っても、ノーベル賞を「取る」ための戦略じゃなくて、ノーベ
ル賞を「与える」側の戦略、ノーベル財団から発信されている
メッセージの解説なのだ。

はっきり言って、本のタイトルはイマイチだと私は思っている。
「日本にノーベル賞が来る理由」
って、現在(まで)のことを言ってるんだか、これからのこと
を言ってるんだかもよくわからないし(読み終われば、確かに
納得できるタイトルなんだけど)、この書名だけでは、あまり
読みたい気はしない…と言うか、多分読まなかったと思う。。

本屋で見かけた時、それでも買ってみたのは、帯にあった
「日経ビジネスオンラインで大反響 月間100万アクセス突破!」
の惹句が、かなり気になったから。
ネット上のそういう場所で評判になったのなら、多分面白いの
だろう…それだけで、中身を全く見ずに買ったのだった。
(外出中の空き時間に、駅の書店で急いで買ったこともあり。)

第1章を読み始めた時の印象は、「何て読みやすい文章を書く
人だろう」。
(こんな、お手本みたいな文章を書く著者の伊東乾氏が、作曲
 家・指揮者でもあるというのも、何かスゴイ。)
不必要に専門的なところは、いい具合に省いてあって、その加
減が実に巧いなあ…と、最初はその文章力にひたすら感心して
いたのだが、読み進めるに従って、しだいに興奮。

試しに、本屋さんで、この本の
第2章の「ノーベル賞を勘違いした日本人」
だけでも、立ち読みしてみてほしい。
(「立ち読み」を勧めるのは叱られることだろうが、この部分を
 読んだら、買いたくなる人も結構多いだろうと思う。)
別に「かんちがい」つながりで言うわけではないが、この第2章
のタイトルを、そのまま書名にしたら、もっと良かったんじゃない
だろうか(人の気を引くという意味で)と、思ったりもする。
 
さて、内容紹介は省くとして、1月に読んだこの本(そのうち
ブログにも書こうとは思っていたのだが)を、なぜ今紹介する
のかと言えば、数日前に若だんなさんのブログで読んだ、

「韓国でノーベル賞が受賞できない理由」(若だんなの新宿通信)

が興味深く、合わせて語るのに丁度良い機会だと思ったから。

若だんなさんの記事によると、韓国の新聞「中央日報」の特集
で、「日本に学ぶノーベル賞のノウハウ」以下の記事が話題を
呼び、コメント欄も白熱しているとのこと。
(そのリンク先の「中央日報」の記事の中でも、「日本にノーベル
 賞が来る理由」の著者の伊東乾氏が登場する。)

若だんなさんが、中央日報のコメント欄の
「(韓国がノーベル賞を取るためには)韓国語の科学用語をつ
くることだ」
という意見に反応していらしたけれど、私もすぐに、去年読んだ、
水村美苗氏の「日本語が亡びるとき」
を思い出した。

私たちが今使っている日本語は、江戸時代までの土着の日本
語とは違う。
明治の人たちが頑張って、日本の近代化に必要な概念を表す
日本語(「自由」とか「権利」とか、もろもろ…)を考案し、新たな
「国語」を作ってくれた。
良くも悪くも、そのおかげで、私たちは、とりあえず、欧米語との
相互翻訳が可能な言葉を持つことができ、ほとんど全ての分野
について、自国語で学習することが可能になったわけで、その
ことが、日本国民の知の裾野を広げている。

韓国には、「韓国語の科学用語」がない…。
そうなると、ちょっと深く学ぼうと思ったら、英語で学ぶしかない
わけだ。

…というようなことは、ミーシャさんのブログの先日の記事にも
書かれていた。
ちなみに、私はこのミーシャさんの記事で、中国では、日本で
作られたこれらの科学用語が逆輸入されて使われている(それ
が日本で作られた言葉だとは意識されていないらしい)ことも知
ったのだった。

韓国も以前ならば漢字を使っていたから、科学用語の輸入がで
きたはずだが、今は漢字を捨ててハングルだけになってしまっ
ているから、自国語で学問することに大きな障壁が生じてしま
っているのだろう。
(韓国でも、漢字を見直す動きがあるみたいだけど。↓
「ハングルだけ」見直しを 表音文字だけでは用語理解に妨げになる-韓国の社団法人


…と、ちょっと話が反れてしまったけど、とにかく、
「日本にノーベル賞が来る理由」
は、今年に入ってから私が読んだ本(大した数でもないけど)
の中では、イチ押し。
少なくとも、ノーベル賞に関して、私と同じぐらいの認識しかな
いなあ…という方は、是非読まれると良いと思われる一冊だ。



ついでに、今年に入ってから読んだ本の中で、2番目に良かっ
たと思っている本は、これ。

浜矩子(はま・のりこ)著
 「グローバル恐慌」(岩波新書)

グローバル恐慌―金融暴走時代の果てに (岩波新書)グローバル恐慌―金融暴走時代の果てに (岩波新書)
(2009/01)
浜 矩子

商品詳細を見る


これは、金子由紀子さんのブログの記事で知った本で、金子
さん自身の読書メモという感じで、身辺雑記の合間に、10行くら
いで簡単に触れてあっただけなのだが、それを読んだ時、私は
「あ、この本読もう!」
と、すぐに思ったのだった。
(最近は、あちこちのブログで書評記事を読むのに慣れてしまっ
 て、良さそうな本が紹介されていても、そう簡単には飛びつか
 なくなっている私なのだが、金子さんの、さりげなく簡潔な評
 には、いとも簡単に落ちてしまった…笑。 プロのライターさん
 は、やっぱり日常雑記の文章もシャープだなあ!)

金融・経済オンチの私は、100年に1度とやらの不況がどうして
起こったのかが、どうもよくわかっていなかったのだが、この本
は、とてもわかり易くてよかったので、私みたいな人のために、
ご紹介しておく。
 
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コメント
-ふーむ-
そうですか。

この本、うさんくさいなと思って避けてたんですが、
読んでみようかな。

だって、肩書きがうさんくさい人の本は読む気にならないですよ。
しかも、ノーベ賞が日本に来る理由って、決まってるじゃないですか
「金」ですよ。
と思っていたんで、読んでないんですが、そこまでおっしゃるなら、読んでみます。
というか、貸してください(笑)
2009-04-22 Wed 23:05 | URL | 若だんなat新宿 #-[ 内容変更]
-若だんなさんの感覚が正しい可能性もあります(笑)-
若だんなさん
ああ、そう、そう…「うさんくさい」って、わかります(笑)。
若だんなさんに言われて思い当たったけど、この本を最初
に見た時の印象は、まさに「うさんくさい」でしたね。
興味の圏外と言うか、このタイトルだけだったら、多分
手に取って見ることすらしなかったのではないかと。
本当に、帯のキャッチコピーだけで、買ってみたのです。
話題になっているネット記事をとりあえずのぞいてみるの
と似たような感覚で。
(そういう本の買い方って、あんまりしないのですが。)

無知で無邪気?な私と違って(笑)、若だんなさんは、
もともとノーベル賞の裏事情などにも詳しいでしょうから、
この本を読んでも、さほどの衝撃は受けないかもしれま
せん。
私などは、反論するだけの知識もないし、考えてみたこと
もなかったようなことばかり書かれていたので、すっぽり
ハマりましたけどね。

著者の風変わりな経歴については、別に「うさんくさい」
とは思わないし、むしろ素直にスゴイ、カッコイイ…と思っ
てしまう私の感覚は、ミーハー的かもしれません。
でも、これを異端の者の語る戯言のようにとらえてしまう
としたら、それは「権威」の側の感覚で、それはそれで
危険なことのようにも思います。
若だんなさんには、そのへんは柔軟であってほしいと思い
ますから、「一応」は読んでみてほしいですね。
(それにしても、やっぱりタイトルのダサさに、かなりの
 責任があるのでは…。とはいえ、代わりになるような
 良いタイトルは、私も思いつかないのですが。)

本をお貸しするのは構わないのですが、この本、線を引き
まくっちゃったからな~(しかもボールペンで!)
ちょっと恥ずかしいかも。
(それで、夫にも貸せていない…(^^;)
smoothさんみたいに、本を読む時は付箋を用意すれば
いいんですが、いつも忘れてしまって、しかも電車の中で
読んだもので、筆記具もボールペンしかなかった…。
最初は気になることが書いてあるページの端を折ってい
たんですが、あんまりそういう箇所が多いので、「ええい、
ボールペンだけど、いいや!」ってんで、もう、そうなると
むしろ大胆に、普通以上に気軽に線を引いちゃった…
って感じです(笑)。
まあ、とりあえず、本屋さんで「立ち読み」なさって、
読む価値がありそうと判断されたら、安価な新書ですか
ら、お買い求めになられてはいかがでしょう?(笑)
2009-04-23 Thu 11:42 | URL | ミセス・かんちがい #bhhZubZs[ 内容変更]
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