2008-09-07 Sun 21:09
2008年9月7日(日)
野崎麗(のざき・れい)さんという、創作着物のデザイナー さんがいる。 もともとの知り合いではないのだが、縁あって、その麗さんの 作品集(キモノ写真集)を、夫が企画することになった。 最初に企画を持ち込んだ出版社では、編集部員は乗り気だっ たのだが、部長クラスで却下され(社長にまで話が届かなかっ たらしい…こんな裏話を書いていいのかしら?…笑)、ちょっと 悔しい思いをしたりもして、その後、旧知の出版社の社長さん に相談したところ、幸い、そちらで出版して頂けるという話がま とまった。 野崎麗さんご自身にとっても初めての作品集だが、もとより夫も 写真集を企画するのは初めてなら、その出版社も写真集を出す のは初めて、請け負ってくれる印刷会社も写真集を手がけるの は初めて…という、いわば「初めて集団」によるプロジェクトに なったのだが、それだけに大胆に話が進んだようである。 幸運なことに、その出版社の社長さんが、『美しいキモノ』の 元編集長さんと知り合いでもあって、その協力を仰ぐことがで き、撮影や編集に関わる一流のスタッフも揃い、思いがけない ほど、良い写真集ができあがったのであった。 野崎麗きもの作品集 (発行:論創社) 「銀座の粋(ぎんざのいき)」
Amazonの書影があまりキレイでないので、自分で用意した画像 も(笑)。 ![]() この写真集のスゴイところは、プロのモデルさんを一人も使って いないこと。モデルは全て一般の方(野崎麗さんの着物のご贔屓 さん)。年齢は30~60代?くらいと様々。 細めの方も太めの方も いらっしゃるのだが、プロによるヘア・メイクを施され、プロの カメラマンによる撮影で、皆さん女優さんのように美しく、優雅 である。(知らない人が見たら、きっと、全員が和装モデルさん だと思うだろう。) 夫は女性の着物のことなどさっぱり分からないものだから、 「とにかく綺麗な本ができたけど、肝心の内容…着物自体がどう なんだか、俺にはよく分からないよ(笑)」 と言って、本ができるとすぐ、私に見せてくれた。 もとより完成を楽しみにしていた私だが、予想以上にクオリティー が高く、 素敵! と、ため息をつきながら、全ページゆっくりと眺めたのだった。 野崎麗さんの着物は、刺繍がメインである。 その刺繍のデザインが、題材も配置も新鮮で(キモノに象とか猫 とかの柄なんて初めて見たけど、これが全然違和感なく、むしろ イキな感じ)、目も心も楽しませてくれる。 着物と帯のデザインをお揃いにして、ドレスのようなオシャレさ を出したものがあったり、同じデザインでも、着物の地色や糸の 色を変えると、ガラリと雰囲気が変わるのも、すごく面白い。 (そういう色違いの作品を並べたページもある。) ![]()
[ 続きはここから… ]
「絵画を身にまとうような」と、本の中にも書かれていたが、本 当に、日本のキモノというのは、四季おりおりの季節感を、人と 一体化させて表現する芸術品なのだと感じさせられた。 (野崎麗さんは、「きものは人が着て、はじめて完成する」という 信念をお持ちだそうだが、作品集を見ると、それがよくわかる。 また、刺繍の着物というと、普通は超高価なのだが、麗さんは リーズナブルに提供したり、着物のレンタルなどもなさって、 着物の普及に努めていらっしゃるようだ。) ★参考までに、野崎麗さん関連のお店 ・デザイナーズブランド 麗キモノ (銀座8-7-5 金春ビル1F TEL:03-3571-2545) ・Ray's Collection(旧店名=和文化倶楽部 麗) (浅草1-28-10 タナカビル1F TEL:03-5806-2253) 「うん、この本、いいわよ! 余り見たことないような、珍しい 着物も多いし。…女の人だったら、みんな、こういうの見るの、 好きだと思うな~。 本を買うかどうかは別として(笑)」 と、私は夫に太鼓判を押した。 実際、鹿児島に行った時も、義父母や伯母や従姉にこの写真集 を見せたが、「良かね~」と、大変好評だった。 3,800円は、気軽に買うにはちょっと高いのは事実。が、着物が 好きな人とか、例えば美容院など、女性客が多く集まる店に置い ておくには、かなりオススメできる1冊と思う。 置いてある書店はそう多くないと思うが、もし見かけられたら、 是非是非、手に取ってご覧になってほしい。 …さて、宣伝はそのくらいにして(笑)、先日の夜のこと。 夫 「明日、例の写真集の出版記念パーティーがあるんだって。 呼ばれてるから行ってくるよ」 私 「ふうん、どこでやるの?」 夫 「銀座のアルマーニのビルに入ってるレストランだって」 私 「アルマーニ! さすがにすごいとこでやるわね」 夫 「どこにあるか、知ってるか?」 私 「知ってるも知ってる。いつも、アルマーニを目印にして、 その角を曲がって、別の店に行くのよ!(笑) アルマーニ のビルの中には、入ったことないけど」 いいなあ~、私も行きたかった…と言うか、中を見てレポートし てみたかった(笑)。けど、そんな高級レストランでは、飛び入 りでついていくわけにもいかない。 それにしても、夫は、私以上に ブランドとは無縁な輩。 ブランドから一番遠い、そんなヤツが、ブランドビルに出かける 機会ができるのだから、世の中、面白いものだ。 …と、大事なことに、はたと気づいた。 「あなた、着ていく服がないじゃない! 昼のうちに言ってくれれば、買いに行くこともできたけど…」 夫は自由業みたいな商売だし、ものすごく暑がりだから、基本 的にスーツを着ない。 クールビズなんて言葉ができるよりずっと以前から、夏場は上着 など着ないし(半袖ワイシャツ+スラックス)、取材等がなけれ ば、ポロシャツ姿という軽装で、仕事に出かけてしまう。 夏用のスーツも1着くらいあった方がいいと、実は今年買ったの だが、買って数週間後には、上着を電車の網棚に忘れて、そのま ま紛失してしまった…(安物のスーツではあったけど、本当にガッ カリさせられた…。過去にも、似たようなことが何度かある)。 とにかく、今さら格好のつけようもない。 高級スーツで有名なアルマーニのビルでのパーティーに行くのに、 上着を着ないで行く男性なんて、きっとほかにはいないだろうけ ど、半袖Yシャツ姿という非常識な格好も、夫の“キャラ”なら、 まあ、アリかなあ…(笑)。 というわけで、夫はいつも通りの服装に、ネクタイだけは締めて 出かけたのだった。 夫が帰って来てから、参加者の服装を尋ねてみた。 女の人たちは、予想通り、着物姿の人が多かったようだが、男性 にも和装の人が結構いたらしい。 もちろん、上着無しのスタイルは夫だけだったそうだ。 夫 「知り合いの人から言われたよ。『K木さんは、ワイシャツ の胸ポケットにペンを差して、全くいつもと変わりがなくて、 すごいですね!』って…」 …なるほど、そんな見方もあるか(苦笑)。 ※ちなみに、食器もカトラリーもアルマーニのこだわりで揃えら れているという、レストラン“リストランテ”の食事は、とても 綺麗だったそうだ。 「皿にスプーンが並べられていて、それぞれのスプーンに一口 ずつ、料理が乗ってた」というのが、どんなのかなあ?と思っ てブログ検索してみたら、同じ出版記念パーティーに出席され た、アロマテラピストの方の記事を発見。写真もちょこっと掲 載されているので、興味のおありの方はそちらへどうぞ。 そしてこちらは、パーティーのお土産。 深紅の薔薇のプリザーブドフラワー。 ![]() 麗さんのブランド名“RAY”の字が入ってます スポンサーサイト
|
||
![]() |
-確かに、縁遠そうな-
K木先輩から、一番縁遠そうな場所ですね。
そこにアルマーニを着ていかないというのも度胸のいる話。 下手なスーツを着るくらいなら、私も着物にするかもしれません。 着物は、うちの妻が好きなんで、今度、本見せてください(買う気がない、ひどい後輩(笑) --
>若だんなさん
若だんなさんは着物を着慣れていらっしゃいますもんね^^ (拝見したことはないけど、着物姿、似合いそうです。 来年の新年会はご夫婦で和装でいらっしゃいません?…笑) 下手なスーツを着るより…と感覚は、すごくわかります。 アルマーニのスーツ(しかも夏物)を持っている人も、 そう多くはないでしょうしね…。 夫の場合も、ハンパに格好をつけるよりは、いっそ普段着 のままの方が潔い(笑)だろうと判断しました。 今回は、悩む時間がなかったこともかえって幸いしました。 前々から招待がわかっていたら、悩んだかもしれません。 (どうせ、高級スーツを買う気はないもの…笑) 写真集、今度お貸ししますね~(^_^) (余分に手に入れば差し上げてもいいのだけど…あまり もらえないらしい…) ![]() |
|
![]() |
| ミセス・かんちがいのブログ日記 |
|