スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事のURL | スポンサー広告 | | | ブログトップページへ
絶版になった本(矢沢宰詩集「光る砂漠」)
2007-10-17 Wed 23:00
2007年10月17日(水)

先日のnoaさんのブログで、ちひろ美術館に出かけられたこと
が書かれていて、少女の頃からいわさきちひろの童画に惹か
れていた私は、長々と自己チューなコメントを残してきた。

その時、昔愛読していたほかの本もいろいろ思い出し、懐か
しくて、つい調べてみたのだが、中には今は品切れで、古書
でしか手に入らないものも、何冊かあった。

その中で特に気になったのは、高校時代に、本好きな友人と
ともに、こよなく愛していた詩集、矢沢宰やざわおさむ)の
光る砂漠」という1冊。
童心社の「若い人の絵本」シリーズに、昔は入っていたのだ。
薗部澄氏のモノクロ写真とあいまって、美しい本である。


作者の矢沢宰はプロの詩人ではない。
これは、21歳で病死してしまった青年の遺稿詩集だ。

私は1回だけ彼の詩を教材に使わせてもらったこともある。
(使用許諾交渉は、版元さんがしたので私はノータッチ。)
一時は静かな共感の輪を広げた彼の詩だが、今はもう人々
から忘れ去られてしまったのだろうか…?と、ふと気になり、
「矢沢宰 光る砂漠」で検索してみた。

私の思いは杞憂だった。
 
[ 続きはここから… ]

Googleで800件余りもヒットして、私は嬉しかった。
「光る砂漠」の初版は昭和44年(1969年)、私が持っている
のは48年の10版だけれど、その後1990年代まで重版されて
いたようだし、日記編や、彼の詩を合唱曲にした楽譜など
も出版されていることがわかった。

そう言えば、確か高校時代に、お茶の水女子大学附属高
校の文化祭で「矢沢宰展」があるという情報を聞きつけて
(「光る砂漠」の解説を書いていたのが、当時 お茶大教授
だった周郷博氏だった関係なのだろう)、友人とわざわざ
見に行ったこともある。
私が思っていた以上に、彼の詩は多くのファンに支えられ
ていたようだ。

書物が発行後、時を経て絶版になるのはごく普通のこと。
特に、インターネットが普及する前に出された無名作家の
本については、読んだ人の感想に触れることすらできない
ことが多い。
が、こうして、夭逝した一人の青年の詩が、静かに脈々と
愛されてきた歴史を知ることができるのは、嬉しいかぎり
である。

久しく忘れていたのを思い出したのをきっかけに、今、
私がこうしてブログに書いておけば、また、何かのきっか
けで矢沢宰を知った人が、読んでくれるかもしれない。

平明でありながら、たぐいまれな透明感をもった彼の詩が、
どうか、これからも埋もれてしまうことがないように…。
そしてできれば再版の日が来る願いもこめながら、矢沢宰
の詩を2編だけご紹介しておく。





再会



誰もいない

校庭をめぐって

松の下にきたら

秋がひっそりと立っていた



私は黙って手をのばし

秋も黙って手をのばし

まばたきもせずに見つめ合った









風が



あなたのふるさとの風が

橋にこしかけて

あなたのくる日を待っている






スポンサーサイト
この記事のURL | 読んだ本・オススメ本・書評もどき | コメント:9 | トラックバック:0 | ブログトップページへ
<<きゃしーさんと、日本万華鏡大賞・多摩展へ | ミセス・かんちがいのブログ日記 | バジルって便利かも♪>>
コメント
--
使い古された何気ない言葉が並んでいるのに、
なんて素敵でしょう。

わたしも検索してみます。
かんちがいさん、ありがとうございます。
2007-10-18 Thu 00:10 | URL | spacesis #4OrEtIGA[ 内容変更]
--

昨夜、『絶版になった本』の 記事を読んで
きっと、古本屋の 「COW BOOKS」か 版元の倉庫あたりで
この本を探し出せるのではないか、と思い今日は
「光る砂漠」の本探しの日にしようと考えていたが
今朝、母の病院から「心不全をおこされているようです。」と
連絡を受け病院へいくことになってしまった。
母のベットのそばでボォーとしていると 昨夜、初めて読んだ
『矢沢宰・光る砂漠』の2編の詩が突然、私の心の中に
浮かんできた。
21歳の青年の詩が 私には いま、やっとわかる気がした。
21歳といえば・・・
その頃の私はオシャレと男の子の話にうつつを抜かしていた。
何も考えず、一日の重みなど微塵も感じることもなく・・・

ようし、この本をさがそう
写真も観たい
私は 本という存在が自分の人生に深く入り込んできた思い
がした。この本に出合えるかしら、私。
2007-10-18 Thu 18:12 | URL | noa #-[ 内容変更]
-ありがとうございます。-
すばらしい詩と、それを書いた人物を紹介してもらって。それにしても、やさしい詩ですねえ。頭の中に、すぐ絵が浮かぶ、すばらしい詩だと思います。
あと、この矢沢宰さんという人は腎臓の病気だったようで、こんな事を書いたら失礼かもしれませんが、変な親近感をおぼえました。
2007-10-20 Sat 01:42 | URL | 俊太郎 #-[ 内容変更]
--
spacesisさん
矢沢宰さんの詩、いいでしょう?
彼は昭和19年生まれだから、生きていれば、spacesis
さんやちゅうさんよりも年上^^
でも永遠に青年のままで、みずみずしい感性を
見せてくれるのですから不思議です。

好きな詩がたくさんあるので、2編選ぶのに苦労し
ました。「風が」の詩は、spacesisさんのことも
ちょっと意識して選びましたよ^^

本当に、難しい言葉を使わないところがスゴイの
ですよ。…ねぇ、spacesisさん、これ、ポルトガル
語に訳したら、日本語教室で使えるのじゃない^^?
(うまくいきそうだったら、翻訳権とって、
 ポルトガルで紹介しちゃうとか!…笑)

noaさん
私なんかもね、昔は特別好きでもなかった作品でも
今読み直すと、「わかる!」というのがあります。
ああこの作品はこういうことを言っていたのかと…。

若いころから闘病生活をした人の感性には、ハッと
させられることが多いですね。
私など、大した病気も苦労もしていませんから、
修行が足りないというか、人の痛みがわからないと
いうか、…世の中のことで、見えていないことが
沢山あると自覚しています。
まあ、一生見えないものも沢山あるでしょうけど、
それでも少しずつ見えてくるものもあるから、
カメよりのろい自分のペースで、進むしかないかな^^

「光る砂漠」は、探せば古書がありそうな気がします。
ネットで見るとプレミアがついてるのもあるけど、
バージョンは数種あるようなので、どこかで適当な
ものに出会えるといいですね^^

お母様のこと、心配ですね。
暫く前のnoaさんの記事で、お母様が肺炎を起こして
いらっしゃると読み、お見舞いの言葉をかけそびれ
ながらも気になっていたのですが、今度は心不全?
容体は、もう落ち着かれたのでしょうか…?

俊太郎さん
矢沢宰さんは、7歳の時にはすでに腎結核に冒され、
8歳で右腎臓の摘出手術をしたそうです。
どんな思いを抱きながら少年時代を過ごしたので
しょうか…。
14歳からは毎日日記をつけ、亡くなるまでの7年間に
500編ほどの詩を書き残したそうです。
(「光る砂漠」に収録されているのは、うち54編。)

やはり病気でご苦労されているからなのでしょうか、
感性の美しさは、俊太郎さんの感性と通じるものが
あるように思っていたので、俊太郎さんからコメントを
頂いて、やっぱり届くべき人の所にメッセージが届い
たな…という気がしました。

よかったら、俊太郎さんもお読みになって見て下さい^^
私の持っているのとは違う、サンリオ出版刊行のもの
なら、安い古書が出ています。
http://www.amazon.co.jp/gp/offer-listing/B000J96MYK/ref=dp_olp_2/250-2784457-9039461?ie=UTF8&qid=1192865391&sr=1-3

※追伸
詩を沢山更新されていましたね^^
芸術の秋かな~。。またゆっくり伺います(^_^)
2007-10-20 Sat 16:43 | URL | ミセス・かんちがい #bhhZubZs[ 内容変更]
-私も好きでした。。。-
10代から20代前半までの間に、何度も読み返しました。
本の大半は処分してしまいましたが、この詩集だけは手元に
おいてあります。昨日思い出して、久々に開いてみましたが
いまだに好きですね。
特に「小道がみえる」は、たまに歌のように口ずさんでいることが
あります。こういう記事に出会えると、うれしいです。
2008-10-22 Wed 06:30 | URL | ひまわり #-[ 内容変更]
-私も嬉しいです-
ひまわりさん
矢沢宰を昔から知っていて愛読していた人からコメント
を頂いたのは初めてです。
この記事を書いてよかった、と改めて思いました。
時も空間も隔てて、こうして感動を分かち合えるのは
本当に嬉しいことですね。
この記事は時々「矢沢宰 光る砂漠」などの語で検索さ
れて読まれているようです。
今まで矢沢宰を知らなかった人にとっても、彼の世界へ
の足掛かりとなってくれたら…と念じています。
「小道がみえる」は、絶筆となった作品でしたね。
私も思い出し、心震えるような詩の情景が甦りました。
コメント、有難うございました。
2008-10-22 Wed 20:24 | URL | ミセス・かんちがい #bhhZubZs[ 内容変更]
-光る砂漠を思い出して-
だいぶ時間を経ってのコメントですみません。
S47、8年ころ定演で歌う前に、矢沢さんの入院していた三条結核病院へ合唱団の有志と訪問し、担当医だった吉住先生のお話をお聴きした事があります。(高校生だった私は、事前にほとんど知識がないまま付いて行っただけなのが今では悔やまれますが・・・。)
その後「足跡」「少年」「光る砂漠」と読み。自分と同年代の彼の純粋な感受性豊かな詩と日記に感動していました。30年以上経って本棚から引っ張り出し、気に入っていた詩を読み直すと、やはり思春期だった当時の自分が思い出されて、無性に切なくなります。
2011-01-28 Fri 21:31 | URL | SAKURA6809 #-[ 内容変更]
-承認待ちコメント-
このコメントは管理者の承認待ちです
2011-02-21 Mon 01:03 | | #[ 内容変更]
-承認待ちコメント-
このコメントは管理者の承認待ちです
2011-04-16 Sat 09:54 | | #[ 内容変更]
コメントの投稿














管理者だけに閲覧

トラックバック
トラックバックURL

FC2ブログユーザー専用トラックバックURLはこちら
| ミセス・かんちがいのブログ日記 |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。