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クライマーズ・ハイ -極限状態から見えるもの-
2006-07-25 Tue 13:25
 2006年7月25日(火)

 夫は年間100冊以上の本を読んでいるので、一応「読書家」
 の部類に入るだろう。 が、“本好き”とか“本の虫”というよ
 りは、“活字中毒”に近い。
 (読書を楽しんでいるようには、あまり見えない。)
 電車の中などの移動中、店での待ち時間は、基本的に、
 いつも本を読んでいる。
 家では、テレビを見ながら(時にはラジオまで聴きながら)
 本を読んでいる。
 ちょっとした外出時にも、財布を忘れることはあっても、本は
 忘れない。
 地方への出張時には、電車の遅れなどで、どんな待ち時間
 が生じるかわからないし、そういう場合に読む本がなくなっ
 てしまうのは不安だからと言って、予備の本まで何冊も持っ
 ていったりする。

 夫が、読んだ本を私に勧めることは滅多にない。
 が、たまには、話題にのぼる本もある。
 「クライマーズ・ハイ」(横山秀夫著・文藝春秋社刊)は、そん
 な1冊。話に聞いたのは、何カ月も前だ。
 横山氏自身の、若き日の新聞記者時代の体験をもとに、あの
 御巣鷹山での日航ジャンボ機墜落事故を、報道した者の視点
 から
描いた作品という。

    記録でも記憶でもないものを書くために、
    18年の歳月が必要だった。
                ──横山秀夫──


クライマーズ・ハイ クライマーズ・ハイ
横山 秀夫 (2006/06)
文藝春秋
この商品の詳細を見る

 その設定に少なからず興味をそそられたのだが、ずっと読み
 そびれていて、ようやく私が読んだのは、数日前のことだ。
 
[ 続きはここから… ]

 「クライマーズ・ハイ」とは、山の登攀の際、興奮状態が極限
 にまで達し、恐怖感がマヒしてしまう状態のこと。

 未曽有の大事故の報道に、総力を挙げる一地方新聞社。
 ザイルを結んで挑む岸壁。
 その「二つの極限状態」の描写を軸に、作品は展開する。
 どちらも、ぬるい日常の中では見えなかったものを、主人公
 に見せてくれるのだ。

 報道とは何かという重いテーマもあるけれど、それ以前に、
 地方新聞がどのようにできていくのか、また、新聞社内の
 人間関係や派閥、一人一人のプライド・思惑・無念・嫉妬…
 そうしたものが反映されて紙面が作られていく過程が、実に
 リアリティと臨場感をもって描写されていて、私にとっては
 それが何より興味深く衝撃的だった。

 もう一つ、「息子と父親の不和」という、ある意味古典的な
 テーマも心に沁みた。
 いや、「不和」と呼ぶには、あまりに消極的な関係なのだが、
 主人公は、自分の息子と正面から向き合いそびれてしまっ
 たという自責と自嘲で鬱屈している。
 母親は、子を産みさえすれば、良くも悪くも母親になれるけ
 れど、「父親になる」というのは確かに難しいことで、多分
 これは多くの中高年男性の共感を呼ぶところでもあろう。
 (我が夫など見ていても、「一社会人」として、また、私の「夫」
  としての顔は比較的明確だが、息子たちに対し「父親」と
  してどういうスタンスで接したいのかが、どうも不明瞭
  な印象を受ける。 そもそも父親というのは、その「背中」
  だけを子に見せるものかもしれないのだが…。)

 「クライマーズ・ハイ」というタイトルと背中合わせのテーマの
 ように出てきた、「下りるために(山に)登る」という言葉も、
 心に残る。

 読み終わってから、ネット上で、ほかの人の感想を探して
 少し読んでみた。
 この作品に「泣いた」という感想も幾つか目についたが、私は
 涙は全く出なかった。
 また、ラストが甘いという指摘もあったが、私はラストシーン
 はとても好きだ。

 …つくづく、本の感想というのは、人によって違うと思う。
 だから簡単に「オススメ」とは言えないが、好き嫌いを抜きに
 読みごたえのある1冊であることは間違いないと思う。


 《追記》
 「クライマーズ・ハイ」は、昨年末にNHKでドラマ化された
 らしいが、私は見逃していた。
 今回、「シンプルな定番生活」のまめたろうさんからコメントを
 頂いて、この夏、再放送があるのを知ったので記しておく。
 (NHKドラマHP:過去のドラマと再放送案内参照)
   前編 2006年8月12日(土) 22時~
   後編 2006年8月13日(日) 22時~
 に放映の模様。興味を持たれた方は是非。
 
 
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コメント
-読みました!-
基本的に山岳もの(小説・ミステリー・ドキュメントなど)は好きでよく読みます。クライマーズ・ハイもそうかなと思って読んだのですが、重厚な人間ドラマというかんじでなかなか読みごたえがありました。NHKでドラマ化されたのも見ましたが、配役もよく、読者が見ても楽しめました。この夏再放送されるらしいですね。
2006-07-25 Tue 17:00 | URL | まめたろう #-[ 内容変更]
-ドラマの情報、ありがとうございます♪-
まめたろうさん
おお、読んでいらっしゃいましたか?!
読んだ本の話が通じるのは、嬉しいものですね(^_^)
ドラマは見そびれて残念に思っていたので、再放送の情報を
頂いて、すぐにNHKのホームページで調べてきて、日記の
追記として書き添えました。
貴重な情報、ありがとうございました^^
佐藤浩市は主人公に合ってそうですね。放映、楽しみです♪
そういえば、まめたろうさんのブログを拝見して、今夜は、
キュウリとトマトの炒めものを作ってみようと思っていたの
ですよ~(頂き物のキュウリが沢山あるので…)
トマトを他の野菜と炒めたことはあるけど、キュウリとの
組み合わせは初めてです。…上手く出来るかな~(^^;)
2006-07-25 Tue 17:39 | URL | ミセス・かんちがい #bhhZubZs[ 内容変更]
-遅くなりましたが-
リンクをはらせていただきました。

ちょうどあの事故のあった日に放映なんですね。本を読んでいる人にもまだ読んでいない人にもおすすめのドラマです。

トマトとキュウリの炒め物はうまくいきましたか? 入れすぎたかなと思うくらいに砂糖を入れると甘酸っぱくておいしいと思います。
2006-07-26 Wed 16:39 | URL | まめたろう #-[ 内容変更]
-おかげ様で…^^-
まめたろうさん
リンクを張って頂き、ありがとうございます。
かえってお気づかいさせちゃってすみませ~ん…(^^;)

そう、ドラマの再放送は、事故の日ですね。
たまたまお盆前の土日でもあるし、きっと沢山の人が
見ることでしょう。

キュウリとトマトの炒めものは、うまくいきましたよ(^_^)
完熟トマトを使ったので、砂糖は少なめにしましたが、
甘みは充分でした。
キュウリを炒めるとき、ちょっぴりマーガリンも加えました。
初めての食感でしたが、予想外に(笑)美味しかったです。
酢豚に入っているキュウリとは、だいぶ違いますね。

トマトと砂糖は相性がいいですよね。
トマト系のスープやシチューには、必ず砂糖を入れます。
子供の頃は、冷しトマトに砂糖をかけて食べていました。
こうすると、1人1個ぐらい、デザート感覚でペロリと食べ
られるので、今でも夏は、時々そうして食べます^^
2006-07-26 Wed 22:02 | URL | ミセス・かんちがい #bhhZubZs[ 内容変更]
-本日です。-
前回の8月の再放送はハイビジョンでしたが、見られましたか?
うちはハイビジョン見られないので、だめでしたが、今夜(9月30日)、NHK総合テレビで再放送あるようです。21時からです。残念ながら、我が家では圧倒的多数決により日本テレビの喰いタンを見る予定、しかもテレビ朝日では山岳ミステリーがあるので、録画はそちらを優先する予定なので、NHKはまったく見られそうもないです。1度見ているので、優先順位的には仕方がないかなぁと思っています。
2006-09-30 Sat 16:44 | URL | まめたろう #qbIq4rIg[ 内容変更]
-おお!-
夕飯の支度の前にチェックしてよかった!
前回、ハイビジョンで見られなかったのでした。
「え、ハイビジョンて、BSとは違うの?!」状態で…(笑)
今夜は見ます! ありがとう(^_^)
2006-09-30 Sat 18:28 | URL | ミセス・かんちがい #bhhZubZs[ 内容変更]
--
こんにちは。同じ本の感想記事を
トラックバックさせていただきました。
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お気軽にどうぞ。
2010-07-18 Sun 00:51 | URL | 藍色 #-[ 内容変更]
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2010-07-18 Sun 00:50 粋な提案
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